『かいじゅうたちのいるところ』鑑賞記

スパイク・ジョーンズ監督『かいじゅうたちのいるところ』を見てきましたので、感想を。


結論から言うと、あのかいじゅうたちの表情や動きを楽しむだけなら、イカした作品だと思いますけど、内容的には全く響きませんでした。
名作絵本が原作なので、自分の感受性が落ちたようで悲しいんですけどね。
でも、嘘ついて「あれは刺激的な作品ですよ、見るたびに新たな発見がある」とか言えないんで、正直に。心に響くとこも、何か「気付き」を与えてくれるようなとこも今回はなかったです、以上。


とはいえ、何故響かないのかを検証しないと、それこそ時間の無駄なので、少し補足すると、この作品は、主人公マックスの成長がキーになるわけですよね。
ただ、それはマックスが他人と自分の違いを知り、コミュニケーションの難しさに「気付く」とこまでなんです。そこから先の「行動」までは、つまりキャロルの孤独を取り除くとこまでは描いてない。
自分が引っ掛かったのは、そこ。急にマックスが自分の家に帰ると言った時「えー」ってなったのは、明らかに物足りないわけです。


あと、「ここではない何処かモノ」として見ようとした期待も、消化不良に終わる。
映像的には、面白いんですけどね。