『輪るピングドラム』

凄い時間が空いてしまってたんだけど、相変わらず毎週最高に楽しみにしているピンドラの感想をやっぱりちゃんとまとめておこうと。
この段階で15話まで見てます。
なので、各話を見た時の疑問とかが、その後解消されてしまったりもてるんだけど、もう仕方ない、あとの祭り。


・8話「君の恋が嘘でも僕は」
6→7→8話と続くリンゴちゃんの暴走プロジェクトMもここでいったん最終回。マカロニウエスタン風の紙芝居に、多蕗さん運んでる時の眼とか全体的に面白い雰囲気で進む反面、最後に晶馬が車に跳ねられる引きで終わるとこのギャップが否が応にも印象に残ってしまい、続きが待ち遠しくてたまらない。家族も恋人も失いかけながらラストチャンスにかけるリンゴに手に汗握らざるを得ない。その一方で、そんな彼女の暴走を叱り、着々とフラグを立てていく晶馬。この二人の恋愛は見てみたいなーと思わせるほんわかさがありんす。プロジェクトMはマリッジでもマーダーでもなく、マタニティーであることが判明するわけだけど、夏芽が口にするプロジェクトMがなんなのかは未だ不明なんだなあ。


・9話「氷の世界」
先週の続きが気になって仕方ないのに、ここでこの回を入れてくる構成憎しっ!正直この回だけ見ても何がなにやらで、多分シリーズ通して見て、もう一度ここに戻ってくると、合点がいくんだろう。とはいえ、現実とはかけ離れた世界での陽毬と眞利の会話は緊張感ビンビンで、抽象的な演出も含めて全く退屈しない。ここまで、守られるべき存在として、天使のように描かれていた陽毬が、一人の女性として、人間としての輪郭を持ってくることに注目したい。夢から覚め伸びをしながら「全然覚えてないけど」とつぶやいた時、なんかガツンとやられた。物凄い現実への引き戻し方だった。また、ダブルHと、陽毬の関係がついに触れられる。今後の物語において、彼女達の存在が救いになるのか、その逆なのか。何故学校に行かなくなったのかというとこも気になるところだ。
そして、陽毬はだれの「運命の花嫁」なのか。
こどもブロイラーという、聞くだに恐ろしい描写があったが、陽毬はここ出身で、冠馬・晶馬とは本当の兄弟ではないのか。


・10話「だって好きだから」
2話引っ張った、晶馬のその後はあっさり回復でよかった、よかった。にしても、特製カレー型モンブラン食べてぶっ倒れ、病院食食って拉致られてと散々ですね。ここでは、今まで暗躍してきた夏芽の狙いと、冠馬の関係性が明かされるが、オウフ!痴話喧嘩ですかい!!しかも、エスメラルダお前もか(笑)最後の最後に、登場するマリオさんというかマリオ君。プリンセスと同じ存在なのだろうけど、詳細は一切分からず。
でも、見直して気付いたんだけど、9話のEDにキャストされてるんですよね。ということは、陽毬の王子様は、マリオなのではと思うところもあり。
話は全く別なんですが、後藤圭二さんの作画は特徴的だったことを追記。



・11話「ようやく君は気がついたのさ」
デコピンされている晶馬が可愛すぎるっ。後、それを見てるだけの陽毬の表情も。前半は、晶馬と夏芽のターン。二人は子供の時からの知り合いらしいが、いろんなことがはっきりとは見えてこない。後半は、晶馬とリンゴのターン。あんだけ頑張っても上手くいかなかったプロジェクトMなのに、ヒメホマレガエルを使えば一発だったんだよ!が、晶馬への恋心に気付いてしまって不発。
今回圧巻なのは、ラスト2分。リンゴが桃果になることを決意した16年前の事件の存在が明らかになり、その事件に晶馬たちが関わっていたことで、運命が交差し始める。


・12話「僕たちを巡る輪」
最初から最後まで息もつかせぬ凄まじく内容の濃い回。
16年前の事件、再び訪れる陽毬の死、晶馬の語る御伽噺。どれかひとつでも、一話もちそうな内容が圧縮されててもう何がなにやら。
まず注目すべきは、御伽噺。ここで語られたものが、それぞれ何なのかが物語を読み解く上での鍵になりそう。



・13話「君と僕の罪と罰
3年前、家宅捜索された時を回想を中心に、陽毬の復活が描かれる。
運命の存在を確かめるという眞利が出会った少女は桃果でしょうけど、二人の考え方の相違とはなんだったんだろう。
そして、夏芽がずっと電話で話していた相手も眞利だったことが分かる。彼女が支払った代償は何か?前回、冠馬が1話でプリンセスに抜かれたものは、まんま命だったことが分かったけど、夏芽もか。いろんなことが少しずつ分かり始めているけど、どこに着地するかが全く分かりません。


・14話「嘘つき姫」
ここ数回のシリアスな雰囲気から一転して、ばっちこーいな展開で、別の意味で最高に気になる引きで締めるゆりさん回。
多蕗&ゆりはリンゴの恋心の移り変わりを描くためのキャストで、2クール以降フェードアウトするんじゃね?とか友達と話してたけど、スイマセン、重要キャストでした、ごめんなさい。
完全に乙女モードに入ったリンゴのきゃわいさに全く動じない晶馬の絶対防御が硬すぎる。これ、攻略できんの?無理ゲーでないの?と心配しちゃう。
完全に巻きこなしてる眞利先生と陽毬は普通に会話してましたけど、陽毬ちゃんは覚えてないのかな?組織とつながりがあっただけじゃなく、どうやら指導者ポジションにいそうな冠馬も、12・13話と見た後だとそんなに違和感はない。エスメラルダ、ピンナップは是非Blu-Ray特典に入れてください。


・15話「世界を救う者」
もう絶対既成事実が作られてしまうとwktkして1週間待ったけど、隣に泊・ま・っ・て・た・よ!これじゃあ裏っ返しにされてる姿が拝めないじゃないか。晶馬、空気嫁ダビデタワーが東京タワーに変わるという演出もド肝を抜かれるが、やっぱり「運命の乗り換え」という桃果の能力が判明したことが物語的ターニングポイントか。OPで炎化するリンゴちゃんはそういくことか。運命乗り換えの罰として、桃果に傷が出来るとなると桃果の死が何に依頼するかが気になってくる。当初は、高倉父母が起こした16年前の事件のせいでなくなったと思うわけだけど、運命を変えて、その代償として亡くなっている可能性がある。それが、彼女の運命か誰かの運命か世界の運命か。
いずれにせよ、桃果が事故で普通に死んでる可能性は低く、この世界は何かしら運命が変わってる世界なのkしらん。
今回からOP変更。


・16話「死なない男」
夏芽回で、ギャグ回。夏芽のイメージ変わるわー。というか、このテイストはウテナにおける七実だ!祖父が全部自分で説明するとことか本当に笑える。


・17話「許されざる者
眞利の「もうすぐ戦争が始まる」発言が凄い不穏。陽毬も回復に向い、久々プロンセスにも「もうお前いらん」と晶馬は言い返す始末。冠馬の方は、ある程度の信頼を置いているように見えるけど。兄二人のために、病院を抜け出した陽毬は、リンゴと買い物へ。再び合間見えるゆりと夏芽。そして、ついに多蕗さんのターン!


・18話「だから私のためにいてほしい」
水面下では色々あったけど、一応は平穏だった日常がついに崩壊。思った以上にシリアスで、ここからクライマックスまでこの緊迫したムードが続くのかとちょっとドキドキした。多蕗さんは母親の呪縛、ゆりは父親の偏愛に絡め取られていて、共に桃果に救われた。二人の関係は目的を同じとする同士の協調関係、仮面夫婦だけだったとは思いたくない。


・19話「私の運命の人」
冠馬と両親の接触は冒頭から驚かされた。女二人の会話はごこかちぐはぐな印象を残しつつ妙な緊迫感があって見応えがあった。そして、9話でちらっと出た陽毬の運命の人が明らかになる


・20話「選んでくれてありがとう」
「選ばれないことは死ぬこと」「透明になる」「何者にもなれない」晶馬と陽毬の子供時代はひりひりと痛む画作りに演出。前半は陽毬の恋心を、後半は子供時代の話。そして、高倉家の家族の真実。陽毬が本当の妹でないことは薄々気付かされるようになってたけど、双子も違ってたのは驚きだった。仔猫と3号が同じサンちゃんなのね。


・21話「僕たちが選ぶ運命のドア」
両親がまぼろしであることが分かる。眞利先生が事件の首謀者であり、桃果に邪魔されていたと。家族がはなればなれに。多蕗さん刺される。


・22話「美しい棺」
追い詰められるというか、順当に眞利に誘導される冠馬。多蕗さん刺されたのが、痴情の縺れだったのはワロス。ゆりさんから日記の半分を託される。真砂子が真利の正体が呪いだと分かったと言ったり、ちょっと前だけど子供晶馬が子供ブロイラーに潜入できたりと説明不足なとこもちらほら。そういうのが気にならない幾原節のはずなのに、ここ最近ちょっと気になるのは、物語前中半にあった勢いの翳りか。とはいえ、物語は風呂敷を畳む段階に入っているから仕方ないのかも。うん、そうだやはり瑣末なことに思えてきた。だって、最後、見栄を切る真砂子はイカすもん。


・23話「運命の至る場所」
ふたつに分かれた桃果と、ふたつに分かれた真利。眞利が魔法で、真砂子を生き返らすのとか凄い引っ掛かる。晶馬に冠馬を託す陽毬。日記も守れなかったリンゴ。ここにきて誰の視線にも寄り添えてないなあと思いつつも、これ逆転できるのかと心配してる時点で、やっぱり幸せな最後を求めているんだなあ。マクガフィン的な位置づけだった「ピングドラム」が再び桃果の口から語られ、街を疾走する晶馬という引きはシビレるねえ。希望という感じがしますな。EDで語られる眞利の気持ちは、興味深い。
・24話「」