『ラストエグザイル-銀翼のファム-』

銀翼のファムが面白過ぎるっ!
ピンドラとは違う面白さ、胸が空く痛快さがあって金曜の夜が待ち遠しい。
放映前は、女の子主人公が引っ掛かりあんまり期待していなかったんだけど、本当にスイマセンでした。ファムいいです。Blu-Rayラソンしてしまいそうな勢いです。


・1話
前情報皆無で見始めたため、ディーオが生きてるにまず驚く。そして、OPがカッコ良すぎる。サビに入るところの空間を縦に使った画作りが最高にカッコいい。曲もめがっさイイ!真綾様とスクバニのコラボなのか。いい味出してる〜。曲よし詞よし演奏よし。さて、本編。正直1話では、物語の方向性や設定がいまいち分からなかったし、ファムを含めたキャラもグッとつかまれたかというと微妙なところ。前作『LAST EXILE』とのつながりが全然分からないけど、地続きなのだろうとか想像をめぐらすばかり。


・2話
前半の艦隊戦から、王女救出作戦、エグザイルによる蹂躙と内容濃すぎの2話。物語の密度や映像的な迫力もさることながら、主人公であるファムの性格の良さが垣間見えて、1話よりずっとすっきりと見れた。1話では自信家な面な印象を持たされたファムだが、王とのやり取やその後の表情、ミリアの願いを聞く行動から、勇敢さと優しさを兼ねた主人公らしい主人公であることが読み取れる。ファムのこの健やかさは、ここから6話くらいまで回を重ねるごとに積み上げられていく。ミリアはこの時点では、まだちょっと我侭なお姫様くらいな感じか。


・3話
ミリアが我侭し放題だったが、それを自覚している描写が入り、ファムがミリアを助ける理由も語られ、ツカミはバッチリ。これでミリアが我侭姫のままだったら、それを助けるファムにも感情移入できなくなるなという不安がなくなって一安心。アデス連邦との闘いという展開になることが見て取れ、構成もすっきり。このあたりの王道的展開を支える骨組み作りが、千明監督は抜群に上手い。周りの評判はあまり高くない・・・どころかGONZOにトドメさしたと揶揄さえされる前作『ドルアーガの塔』も、個人的にはとても面白く見ていた。最初は足手まとい呼ばわりだった主人公ジルが、地道に努力し経験を積んで、仲間との信頼を築き、勇者になるまでの道程を2クールで描ききっていたと思っている。脚本の賀東氏の力も大きかったと思うが、千明監督の手腕が光っていた。


・4話
タチアナ達も出るんだ、つか、艦長スか。ということは、アナトレーと地続きってことだろうけど、地図が分からない。ところで、前半の食事シーンは良かったー、なごむ。ファムの相棒ジゼルの才能も分かって、いよいよ下地は作られた感じに。


・5話
15隻のクジラ捕り開始。同時にミリアはシルヴィウス内で亡命政権の樹立を。初の獲物記念の写真をバックに、「初の領土」とご馳走におもちゃの旗をさす演出は、粋だった!再会を喜ぶタチアナ達とディーオや、ジゼルの万能っぷりなど見所多数。


・6話
総統ルスキニアの暗躍が連邦も一枚岩ではない不穏さを醸す。ルスキニアは現アウグスタではなく、先代への忠義のために戦っているように見える。それにしても、ファム&ジゼルのコンビが実力的にも絆的にも出来上がってるなー、勿論この二人の葛藤やら成長もあるんだろうけど、今のとこは、ミリアの成長物語で、二人は狂言回し的なポジションにいるかな。とはいえ、冒頭のジゼルの会話で、ジゼルがなんかしらの不満を溜めてることは明白で、一波乱ありそう。主題歌「Buddy」の示すとおり、ファムとジゼルは現段階で素晴らしいバディなわけだけども、ファムとミリアの関係もバディになっていくのか、その時ジゼルは何を思うのか。ちらと映ってたけど、グランレースの優勝者は、ジゼルの親父さんなのかな?戦艦奪う度増えていく写真がいい味だしてて、どのエピソードも見たくなってしまう心憎い演出。


・7話
15隻目の鯨捕りのつもりが逆に罠に嵌まり・・・ジゼルの浮かない顔の理由は、「私のファムがミリアにっ・・・!」という百合ん百合んな理由というよりは、家族との別離や、連邦と真っ向から対立していくことへの不安が大きそう。ピンチを切り抜けた後の「私とジゼなら大丈夫」というファムの励ましにも、暗い表情を浮かべたままだ。二人がすれ違うのは、心が落ち着かないなーと本気で思わされてる時点で、自分がどっぷり嵌まってるのが分かる。7話でここまでどっぷり嵌まる作品なかなかない、年一くらいじゃなかろうか。


・8話
「ジゼェェェェェエエエエエエエエエエエ!!!」と思わず叫びだしたくなっちゃう絶妙な引き。来週が待ちきれないゼ。三つ巴の艦隊戦のカッコよさとか、ピンチをチャンスに変えるファムの主人公らしさとか、吹っ飛んでもうた。鯨捕りの記念写真の数々が、逆に物悲しく映ってしまう切なさ。


・9話
家族との別離、ナビとしての失敗に、ちょっとの嫉妬心、ジゼのこの葛藤は前半戦のドラマとしては、出色の出来だなあ。物語の後半で確執起きると、信頼回復が丁寧に描かれなかったりするからなあ。あと、すれ違いっぷりが、重すぎず軽すぎずその塩梅がいい。バディを失ったディーオの忠告がまたいい味出すし、子供時代の回想がかわいいし。誕生日を迎えたことでまだ任務が終わってないという流れも自然でいいなあ。全部素晴らしいけど、唯一ヴィンセントが蛇足。


・9.5話
総集編


・10話
トゥラン・アナトレーの同盟成立。成長したアルヴィスきゃわ。ディーオの口からリリアーナの生存の可能性を語られる直後、ルスキニアと共に現れたリリアーナと袂を分かつリリア。ウルバヌスは撤退、シルヴィウスは撃沈される中、ファム達離脱。今16話まで見てこれ書いてるけど、ここから国家間戦争やクーデタなど話が大きくなって面白くなる反面、ファム達の活躍がお休みで残念なところも。


・11話
過去回想。とにもかくにも、幼ファムと幼ジゼルがかわい過ぐる。大きな町で家族を探すファムけなげー。そして、これでもかというくらい全キャラの若い時の姿が映し出される。グランレースの優勝者は、やっぱりアタモラ達だったのね。前半の和やかなムードから一転、OPにつながる悲劇が描かれるわけだけども、さすがに警備が杜撰すぎやしないか?テロを起こした側にも家族がいたこと、已む無くしたことも見せている心配りはよかったと思う。今までファムの回想でグランレースの日は素晴らしかったみたいな描き方だったけど、血まみれすぎやないかーい!


・12話
グラキエスに落ちたファムたちとディアンの交流。かわいい仔ヤギが出てきたなーと思ったら、速攻死んだ。本編とは関係ないけど、衝撃だった。
せっかくの温泉なのに、油衣着用かい。ファムのグランレース一筋みたいな性格はこういう時話がぶれなくていいよなあ。


・13話
アデス連邦VSグラキエスの艦隊戦。規模的に今までで最大で、屈指の盛り上がり所なんだろうけど、ディアンが早々に離脱してグラキエス側に感情移入しずらいところや、戦場を離脱したファムたちがインサートしてテンポが悪いところなど、乗り切れないところがある。艦隊VS艦隊や、対空砲火、エグザイルの起動など見所は多いのに、ピンチ感が足りないのか。


・14話
エグザイルによるグラキエス蹂躙の描写はカット。全体的に幕間の話という感じ。アバンでヴァサントがディアンたち残存勢力に接触。カルタッファルに戻ったファムやミリアの迷いや決意を見せるも、説得力は不足気味に感じた。連邦内のクーデタで、ルスキニア切りが始まる。一方、当のルスキニアはアナトレー攻めの指揮を任し、北の地で何かする模様。


・15話
アウグスタ中心の同盟成立。今回のファムの発言は思ったことそのまま口にし過ぎ、とはいえ、そこがいいところなんだけれども。ルスキニアやリリアーナを血祭りにあげろ!は言い過ぎかもしれないけど、それは彼等の虐殺が痛みを伴う映像として見せられてないだけで、犠牲になった人側から見れば復習やむなしと思うのも自然な摂理か。復讐の果てには、平和なんかありえないとは思うけど、そんな理想論では片付かないのもまた事実。身近な人の死を乗り越えるという過程を通っていないファムの主張が正しくても、うすら寒く感じてしまうのがなんとも寂しい。正しいことが人をすくうとは限らないというとこだ。ファムたちは、憎しみの連鎖をどう止めて、グランレースへと導くのかが後半の見所か。


・15.5話
前作の総集編。ここでこれが入ると言うことは、後半はアナトレー中心の物語が組まれるってことでいいんだよね?
ラストにサービス的に、クラウス&ラヴィの姿が!今のキャラデザでのラヴィかわい過ぎて、もう・・・本編に絡んで欲しいけど、多分ないんだろうな、あるとしたらグランレース!?