『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』11話

あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』11話の感想を。


いい最終回でした。泣きは・・・しなかったけど。
やっぱり泣きのツボって人それぞれ違うんだな、僕は登場人物たちが泣き入ってる展開だと、逆に「オイオイ、なんだこの集団は・・」と一歩引いて見てしまう心の冷めた人間なんや。。


物語は本当にキレイにまとまっていて、岡田先生の構成力に脱帽しきりです。先週まであと1話で終わるのかと心配だったけど、前半で皆の心情を吐露させ、続けてめんまの願いを明かし、お別れまで持っていくという流れは、スムーズ過ぎて見落としそうになるが、相当高度なことやってると思います。


みんなのめんまへの気持ちは描かれていたように本物なんだろうけど、それでもどこか各々が語ったように「贖罪」の気持ち、そこからくる利己心みたいなものの方がやっぱり強いんじゃないかと勘ぐってしまったりもした。自分はひねくれてるなあと自己嫌悪に軽く陥りつつも、そういうのが好きなんだから、これはもう仕方ない。こういう時、活字媒体だと、各人の葛藤がよりつばさに描かれて入っていきやすいとも思うのだけど、ここは映像媒体のつらいとこなのかとかも。
なんで、「もういいかーい」→「もういいよー」は、「もう(自分は許されても)いいかーい」と捉えて、ここの言葉選びのセンスに、関心しきりでした。
うがってんな。


脚本は勿論のこと、長井龍雪監督の、細かく丁寧な演出、表情のつけかた、独特な色調といい、すさまじく洗練されて、かつ11話でまとまった凄い作品でした。