『STAR DRIVER 輝きのタクト』7話

STAR DRIVER 輝きのタクト』7話の感想を。


予想裏切り、期待を裏切らない・・・スタドラ面白い!


スガタがザメクとアプリポワゼして、王の柱の力を使い、二度と覚めることのない眠りについてしまう・・・というシリアスな引きで見せた6話に続く回。
冒頭は、学校で物思いにふけるタクトの昨夜の回想という形で入る。回想形式にしたのは、タクトに考える時間があったことを示すだけでも効果的な演出だと思う。
そこから、綺羅星の総会シーンを経て、タクトと副部長との対話。


ここは、タクトの1回目の挫折からの復活を決意するまでの重要なシーンだろう。
スガタを失ったこととそれに伴うワコの狼狽ぶりを目の当たりにして、「ホントは、三人組じゃなくて、二人と一人だったんじゃないかって・・・」と友人・恋愛関係において自分を見失う。
ここから、どう復活させるかだが、副部長からの第三者的助言と、タクト自身の回想を織り交ぜさせる。音楽も盛り上げさせるなあ。
巧いっ!
タクトが一人で勝手に答えにたどり着くでもなく、誰かの助言ですぐに立ち直るでもなく、夕日差し込む部室で回想踏まえた対話によって、復活という流れは、最終回付近であっても可笑しくないくらいパワーある演出だった。


ギャグ的な演出とキャラクター、熱血勢い戦闘の雰囲気でイロモノ作品っぽさを醸しだしているし、スタッフもそこを狙ってるんだろうけど、作品の構成や伏線の張り方、興味の持続のさせ方は、職人的に計算されているとこが本当に凄い。この7話までで見ても。


まず、作品の設定上まだよく分からないことも多々あるが、最初から全部分からせる必要もないわけだし、視聴者に対して小出しにしていく塩梅が絶妙だ。
ここまで勢いで見せてきてる感が強いが、4話ではタクトの戦う理由を明示させ、7話では1度目の挫折を描くという風にヒーローものの約束事はきちんと踏まえている。しかも、それが全面に出されてないことが、脚本の榎戸氏の腕前で脱帽する。ホント毎週楽しみで、今後に期待過ぎる。



さて、スガタがなんで目覚めたのかとか、最後の「気をつけろ」がスカーレットキスの第一フェイズ発動によるものなのかは次回以降に任すとして別の話。



スタドラ見てる、ウテナほどハマんないんですよねーと友人が言ってたのでぼんやりその理由を考えていたのだが、見栄の切り方にあるんじゃないかなと思う。
(まあ、男装の麗人たるウテナと、銀河美少年なるタクトの立ち位置の違いもあるんだけど。)


ウテナの場合は、決闘を申し込まれてから、決闘場まで向かっていくというシーンがありますよね。ここで、ウテナ自身の闘いへの決意が描かれるわけだけども、タクトの場合は急にゼロ時間に移動しちゃうんですよね。
そこの、ちょっとした演出の差異が、与える印象を大きく変えてるんじゃないかなとか思ったりした。つまり、主人公が死地に自らの足で赴くことの意義的なとこですよね。
あと、「世界を革命する力を!」クラスの決め台詞の存在かな