『プール』鑑賞記

大森美香監督、小林聡美主演『プール』を見て参りました。
レディースデーということもあってか、かなりの入りでしたが、男一人で見てる人は自分以外いなかったですね。カップルはちらほら見ましたけど。


ちなみに、予習として『かもめ食堂』『めがね』を見返し、それに同じオールタイロケが同じな河瀬直美監督の『七夜待』を事前に鑑賞。


かもめ食堂』はかなり好きです。一方『めがね』は嫌いじゃないけど、かもめに比べるとテーマが浮き上がりすぎて、そこが少しうるさい感じがしてしまうんですよね。あと、キャラクターも、かもめの方が個性的で面白いというのもあります。


七夜待』は河瀬直美らしいというか、なんというか。相変わらずのッカメラワークにお腹一杯です。ストーリーもあってないようなもので。。。まあ、そんな感じ。


さて、『プール』ですが、良かったです。確かに、退屈な要素に満ちているんですが、そこをひっくるめて良かったですね。
個人的には、その空気を楽しむ『雰囲気映画』だと思ってます。
まず、ロケ地、タイのあのゲストハウス自体が非常に見てて気持ちよいですね。中盤2回ほどある歌うシーンは魅力的なシークエンスでした。ホントに時間が止まるような、そんな趣がありましたね。


あと、登場人物たちの会話がね、印象的でした。
返す方が、「そうなんですか」「そっか」「そうだったのか」という相槌を打つこが凄く多いんでよ。
僕らの日常生活においては、ともすれば、これらの相槌はあんまり会話に興味がないと取られかねません。しかし、もともとは、そんな意味ではなく、ごく普通な相槌なんですよね。それが、この作品の中では自然に使われていることが凄い印象的で、気持ちよかったですね。


色々と説明不足なとこは多く、そこは出演者の皆様も承知済みのようです。僕個人としては、映画が説明不足だと落ち着かない性質なのですが、『プール』に関しては可。そこ考えると楽しめないです。そこが、この作品を許容できるかどうかの踏み絵になってるんでしょう。


主人公のお母さんの生き方は、賛否両論ありそうですね。
でも、僕は肯定派というか、憧れます。
でも、年齢やそのときの状況とかで変わるかな。


また、いつか見返すのが楽しみな作品でした。