印籠はHIPHOP

いとうせいこう氏曰く「印籠はヒップホップ」とのこと。そして、岐阜県は飛騨高山に数多くの印籠を展示する印籠美術館が存在し、非常にオススメであることを説いていたのが数年前。


ところで、僭越ながら補足しておくと、いとうせいこう氏は今でこそ、タレント・文化人・論客といったイメージが強いようだが、日本のヒップホップの草分け的存在である。


そのいとう氏曰く、ヒップホップとは発明であり、その精神のひとつに、「引用」の美学がある。ここのこれと、あれのこれをミックスするそのセンスを競うというものであるが、この美学が、古来からの日本の伝統に符号すると指摘する。それは、例えば、和歌における本歌取りの技法であったり、「梅に鶯」に代表される取り合わせの美学であり、そして、印籠なのである。


印籠は実は、本体に刻まれた文様と、付随する根付によって、様々な有象無象を表現していた。たとえば、本体に猿が描かれている。そして、根付に目を移すと、栗の根付が飾られている。そのふたつから、秋の山が連想されるという手合いである。これは一例ではあるが。
このように、昔の職人達は、互いにその取り合わせのセンスを競っていたのである。


この話を聞いた時、非常に感銘を覚えたものであった。



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ところで、話は全く変わりますが、この土日に友人達と名古屋の方まで小旅行に行ってきました。
旅の第一目的は別にあったのですが、その行程の中で、飛騨高山の古い町並み(いわゆる小京都)を訪れることなりまして、私は、
(飛騨高山・・・どこかで聞いたことのある地名だな・・・あ、印籠美術館か!)と古い記憶を呼び起こし、折角の機会なので、是非見学しようとかなり期待をしておりました。


事前に色々とググってみたのですが、予想以上に情報がありません。
公式HPもなければ、そこを訪れたという方のブログも発見できませんで、かろうじて、住所と開館時間などは調べられのですが、冬季は閉館になるらしく、4月でよかったなと胸をなでおろした次第です。


さて、当日、高山駅に着いた私は、観光案内所に詳しい場所を尋ねに言ったところ、



「印籠美術館は、数年前に閉館しました」



( ゚Д゚)



。 。
 / / ポーン!
( Д )



ナ、ナンダッテー!!


その後、詳しい話を聞いたが、時期的な閉館ではなく、文字通りの閉館・閉鎖であるとのこと。展示品はどこかに移管されたのかと尋ねたところ、詳しいことは分からないが、建物自体は残っており、移管された様子はない。しかし、権利者が失踪?してしまって再開する予定は一切ないとのことだった。


・゚・(つД`)・゚・タノシミニシテタノニ



なかなかいないと思いますが、印籠美術館に行こうと思っている方がいらっしやいましたら、注意が必要です。現時点では閉館が確認できております。
足をお運びになられるのであれば、地元の観光協会に事前に確認することをオススメします。


ちなみに、私は仕方ないので、飛騨牛食いまくって、うさを晴らしました。