みなみけは社会人のサザエさん〜『みなみけ〜おかえり〜』全見後感想〜

みなみけ〜おかえり〜』全見後感想の感想を。
原作既読。無印・おかえりに続き割りと楽しみに。


子供の頃、『サザエさん』を見ると、「ああ、休みも終わりだー。明日から学校だ。」と何ともメランコリックな気分になった。
同じ感覚を、毎週日曜の深夜に感じていた。
すなわち、『みなみけ』を見て、「ああ、休みも終わりだー。明日からまた仕事だー」と。


無印のアバンで千秋が語っていた「この物語は、南家三姉妹の平凡な日常を〜」は、まさしく「みなみけ」という作品を端的に言い表した表現であり、それ以上でもそれ以下でもなかった。
しかし、そのぬるさは、意外と心地よく、だんだんと癖になっていった。


それは、「サザエさん」があたかも現実と地続きの物語であるように装いながら、そのくせ実際は存在しえない古きよき昭和の日本を描いてているようなものであり、「みなみけ」もありそうでない家族の日常を〜本当はファンタジーでありながら〜紙一重で現実と地続きに見せているからに他ならない。


その現実と理想の混在感が、そのぬるさが、社会人の入浴剤みたいな存在だなーと思っていたのだが、考えすぎか。
明日からまた色々大変だけど、その先には、頑張れば何かきっと的な感じ。
その適温が「みなみけ」だったんだけどな。
終わってしまうのは心底寂しい。


ここまで言っておいてなんなんだけど、個人的には、

おかわり≧無印>>おかえり

であり、おかえりはキャラデザもあわせて最も原作に忠実だと思ったけど、その分演出・構成共に行儀よくまとまってしまい、物足りないかな。


果たして、来週から『夏のあらし』と『咲-SAKI-』でどんな週末になるのか。